日本のHIVに感染しているのは男性が多い

HIVとはヒト免疫不全ウイルスのことであり、HIVによって免疫細胞に感染し免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を引き起こす病気です。このHIVに感染して発症するとエイズと呼ばれます。
HIVの特徴としては初期は風邪やインフルエンザと変らないため判断することが難しく、また潜伏期間が10年と長期間であり感染していることがわからず検査を受けてはじめて感染がわかるといったことがあります。
世界で見るとHIVの感染状況は2009年末で3300万人であり、日本ではHIV感染者数は約1万7000人であり世界的に見れば増加傾向にあります。
またHIV感染者としてカウントされているのは検査を受けた人であり、発症していない人はカウントされていませんから実態はもっと多いとされます。
一方でHIVの感染者は日本では女性よりも男性の方が多い傾向にあります。新規HIV感染者の年間推移を見ても女性が100人以内であるのに対して男性は1000人前後となっています。
この理由としては感染する原因が大きく影響しています。もともとHIVは通常の環境下では弱い存在であり、感染率も輸血といった物理的にウイルスが体内に注入されてしてしまったケースを除けば1%未満です。
特に性的接触が、感染者数の8割を占めていますが、コンドームといった性感染症予防を利用すれば感染率は極めて低くなります。
ただしこれらは正常な状態での性的接触であり、傷などがありウイルスが体内に侵入されやすい状況にあると感染率は上がります。
男性の同性愛者の場合には、アナルセックスを行うことが多く、アナルセックスにおいては小さな傷がつきやすく出血もしやすいため感染率が高くなります。
異性間のセックスと比べても、感染率は高くなるため男性のHIV感染者が増加している原因にもなっています。
なお、性的接触の他にも注意しなければならないのが注射針の使い回しで、感染率は0.67%という報告もあります。
1%未満の数値ですが、これはアナルセックスの受け入れ側の感染率が0.5%であるのと比べるとほぼ同等と考えられます。
このためHIVの感染は同性愛者による性的接触やドラッグなどの注射針の共用といったものがHIV感染の大半を占めています。

年々と増加傾向となっているHIV感染の実態

年々増加傾向にあるHIVの感染状況ですが、新規感染者数の増加率では30~40代が中心です。これはHIVが日和見ウイルスであり、初期に現れる症状も風邪やインフルエンザ程度であり、HIVに感染していると本人にもわからないためです。
このため20~30代の頃に感染しても、発症してからその感染を知るといったケースが良く見られます。また特に男性の同性愛者は依然として感染する確率が高いので注意が必要です。
男性の同性愛者が感染する理由としては、ウイルスは精液に含まれており、さらに性的接触でアナルセックスを行うためです。アナルセックスによって精液が腸内に侵入し、またアナルセックスという行為ではペニスや腸壁といったものが傷つきやすく、その傷からウイルスに感染するためです。このため感染者数を減らすためにも20~30代の男性同性愛者への対策が急務となっています。
もっともHIVの感染率は感染率の高い男性の同性愛者でも1%未満ですから、コンドームなどの性感染症予防を行えば、性的接触による感染率も大幅に下げることができます。
これは異性間の性的接触も同様です。しかし、若い世代ほど性感染症に関する意識が低くコンドームの常用率が低いため感染者数が増える要因になっています。
一方で輸血によるリスクもゼロではありません。輸血では採血した際に血清学的検査を行っていますが、この検査ではHIVを検出できません。
さらに核酸増幅検査によっても検査がされていますが、ウイルスが極微量の場合には発見が困難で、そのため検査ですり抜けが発生しています。
またこれらの検査は集められた血液を一括して行うためHIVの量は極微量となりすり抜けにつながっています。